しょくにんの長期投資

長期的な視点で投資について日々考えている事を綴っていきます。

リユース市場(自動車、バイク、原付を除く)について調べてみた

何かいい銘柄はないかと四季報をパラパラめくっていて、リユース店を運営する会社の業績が伸びているのが目に付きました。

ハードオフ(2674)やコメ兵(2780)の業績が好調ですね。

ハードオフは直近三年間で売上が50%増、純利も毎年純増しています。

コメ兵も直近3年間で売上が30%増、純利も50%近く増加しています。

 

 

あとネット系では有名処のYahoo(4689)、ほかにはネット買取のマーケットエンタープライズ(3135)が注目されているようですね。

 

結構割安感があるので、買いも視野に入れてちょっと本腰を入れて調査していきたいと思います。

 

1.リユース市場規模

まずは市場の規模ですが、平成27年度の環境省調査によると国内のリユース市場規模は

消費者の最終需要ベースでおよそ3.1兆円。(環境省調査より)

ちなみに24年度の前回調査から1.2%増加しています。

 

そのうちの60%超を自動車とバイク・原付バイクが占めています。

自動車とバイク類を除く市場はおよそ1.1兆円で、ネットオークションがその50%,

店頭販売が30%、ネットショップが20%という割合になっています。

品目はたくさんあって個別説明は難しそうですね。

 

以下では自動車・バイク。原付を除いた市場を見ていきます。

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環境省_使用済製品等のリユースの促進について

 

 

 2.市場の成長性

またリサイクル通信の推計では国外への輸出品を含めた市場規模を紹介しています。

こちらの資料では将来の市場規模予測をしていてそれによると2025年で現在から30%の増加を予測しています。年平均で3%の成長ですね。

日本全体の成長率が現在1%未満であることを考えると悪くない数値です。

 

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【リサイクル通信】中古品(リユース)市場規模推計、2014年は1兆5966億円:時事ドットコムより

 

 

環境省調査によると現在のリユース品購入経験者は約30%で、今後はネットを中心にリユース品の売買経験者が増加していくことが期待されています。

また、不要になったアイテムの処分方法がアンケート調査によると60%近くが家で保管(退蔵)する調査結果が得られています。

つまり、家に退蔵されたアイテムを市場に流通させることと、市場参加者の増加によって市場が今後増加するだろうということです。

 

 

3.利用状況

それではリユースのチャネル別の利用状況はどのようになっているだろうか?

金額ベースの比率は上グラフからわかるが、次は利用者比率を紹介したいと思います。

(この結果も環境省の調査結果から引用)

 

金額ベースでは50%近くがネットオークションですが、利用人数ではリユースショップが売った人の数で二倍の差が出ています。

買った人ではあまり差が出ていませんね。f:id:hasamigirochine:20160807225742j:plain

環境省_使用済製品等のリユースの促進について

 

 

4.個別品目

次は品目別の詳細を見ていきます。

環境省調査では品目別のアンケート調査も実施しています。

以下アンケート結果です。

 

 

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環境省_使用済製品等のリユースの促進について

 

品目によって特徴が出ていますね。

家具ではショップでの購入が多いですが、それ以外ではネットオークションが一番多いです。

また、品目によって購入者属性が違うのも気になります。

家具、家電、スマホケータイでは男性の購入が多いですが、衣類、ブランド品では女性の購入者が多い結果となっています。

 

全体として20~30代の購入者が多いのはネット購入による影響でしょうか?

 

5.おわりに

ざっとではありますがリユース市場を概観してみました。

日本全体が停滞する中で、リユース市場は年3%程度の成長が業界では予測されています。その根拠も利用経験者の増加、ネットによる未利用退蔵品の流通が調査結果から示唆されています。

ほかにも経済停滞による節約志向の助長もリユース市場にプラスするかもしれません。

 

チャネルとしてはネットが主戦となりそうです。

次回はネットのリユース市場、または参入企業の比較を紹介していきたいと思います。