企業ウォッチ - エヌビディア
今回は人工知能ブームで絶好調なエヌビディアを調べてみました。
1.売上推移
グラフにして分かったとこですが、NVIDIAは10年以上前からある程度一定した数値を維持していました。
そしてここ数年のGPUブームにより2017.12は2014.12比で売上2倍、営業利益4倍となっています。
営業利益の伸び率が高いのはNVIDIAがファブレスメーカーであり、工場での生産コストをアウトソースしているためだと思われます。
2.セグメント別売上推移
次に会社公開のセグメント別売上を見てみます。
1) Gaming
売上がもっとも大きいgameingセグメントですが、GamingPCにデフォルトで組み込まれているGPUに加え、ブロックチェーンのマイニングやディープラーニングの計算に使われるGeforceもこのセグメントに含まれています。
ですからに一般に接するGPUはほとんどこのセグメントになります。
ここ数年の売上の急増は主にこのセグメントによるものであることがわかります。
2)Professional Visualization
企業向けにハイエンドのGPUを提供しているセグメントのようです。
「このセグメントの主製品はQuadroで、大手独立ソフトベンダーと組んでサービスを提供している」みたいなことが10-Kには書いてあります。
売上は10年にわたってほとんど横ばいです。
3)DataCenter
このセグメントには大手IT企業や研究機関のデータセンターにGPUを提供するセグメントになっています。
Gamingと違ってある程度まとまったGPUをデータセンターごとに提供しているのだと思われます。
一例としてAmazonのAWSでNVIDIAのGPUが利用可能であることを確認できました。
docs.aws.amazon.com額こそGamingほど増加していませんが、ここ1,2年の売上増加率はGaming以上です。
これから数年間先に最も伸びるセグメントかもしれません。
4)Auto
こちらは自動車の自動運転向けのサービスです。大手自動車メーカーを中心に現時点では研究開発用のサービスを提供しているようです。
こちらのセグメントは自動運転が実用化されると大きく伸びてくるのでしょうか。
5)OEM&IP
今回はパス。
3.競合比較
次に競合他社はどうなっているのか確認するため、NVIDIAの最大の競合であるAMDを見てみました。
売上&営業利益の推移を比較するとNVIDIAとの差は一目瞭然です。
売上のは10年間伸びていませんし、総じて営業利益も低く、赤字の年が多いのが目につきます。
実際に営業利益率を比較してみるとやはりNVIDIAのほうが全体的に高い。
14年あたりからの乖離が多いですし、02,08年あたりも大きな乖離が見られます。
4.NVIDIAの優位性について
私が現時点で思いつくのは以下の2点です。
1)ディープラニングではNVIDIA一択
現在ディープラニングで主流のKerasやTensolFlowなどのディープラニング実行フレームワークではのGPUにしか対応しておらず、ディープラニングを実行する場合、GPUはNVIDIA一択になっています。
2)研究機関や大手企業との協力関係
10-Kを読んでいて、何度も研究機関や大手企業とのリレーションシップに言及しています。サービスベースで具体的にどのように貢献しているかは不明です。
5.まとめ
1)NVIDIAの売上&営業利益の推移を確認した。
2)セグメント事の売上の推移を確認した。
①ここ数年の売上増はgaming,Datacenterが中心。
②特にこの1,2年はdatacenterの伸び率が高い。
③また、将来セグメントとして自動車の自動運転に関わるAutoが存在。
3)競合であるAMDと営業利益率を比較した。結果はNVIDIAのほうが総じて利益率は高かった。
4)NVIDIAの優位性について。著者が考えつく点として
①ディープラーニングではNVIDIAが一択
②研究機関や大手企業との協力関係。ただし、具体的な訴求点は不明。
毎度、内容の薄い記事で恐縮ですが今回はここまでです。